「よいうなぎは身ではなく、皮目に脂がのっているものだ。だからベシャベシャにならず、脂にキレがあるのでくどくないのだ」(『魚河岸三代目』) *** 妻の実家からナメタガレイが届いた。瀬戸内のカレイとは巨きさの桁が違う。子持ちの輪切り状態で送られてきたのだが、カレイと言われなければどういう魚かちょっと判別しづらいサイズである。体高がありすぎて別の魚なんじゃないかと勘繰りたくなってくる。 要は完全にカレイの領分を超えている。陸前では昔から子孫繁栄を願ってこれを年越しに食すのだそうです。 食べ方は煮付け一択で、身が厚いため、どうやっても味付けは濃い目になりがちである。しかし味はカレイ。きわめて肉厚で脂…