ハヤカワ文庫NV

今読んでるこちらの本がとても良くて今年のベスト10に入りそう。短編SFだけど設定のうまさと他者とわかりあうことへの憧れや難しさが丁寧に描かれていて、一編読む毎に短編とは思えない充実感が得られる。 pic.twitter.com/uexTUTuVk2 — sumi (@sumi_betterlife) 2024年11月25日 わたしたちが光の速さで進めないなら (ハヤカワ文庫NV) 作者:キム・チョヨプ 早川書房 Amazon

ジョン・ル・カレ『スパイはいまも謀略の地に』（ハヤカワ文庫）を読む。2020年に亡くなったル・カレの最後から２番目のスパイ小説。さすがにいつも通りの人間性を掘り下げた見事なスパイ小説だ。読みながらいつも通り圧倒された。 だが、私には本書を簡潔に要約することができない。代わりにAmazonのカスタマーレビューに素晴らしい紹介を見つけたので、その三好常雄さんのレビューを勝手に引用する。三好さんは★５つを付けている。私にはここまで優れたレビューは逆立ちしても書けない。 ジョン・ル・カレ氏が2020年末に亡くなった時の新聞各紙の大きな扱いに驚いたことはよく覚えている。ル・カレは冷戦時代のスパイ小説作家…

批評 スタッフ・キャスト 批評 視聴者に原作とは全く異なる恐怖感を与える完璧な原作改変を施した、原作を超えた映画となっている。 今作の基本的な展開は原作と全く同じである。 今作の大まかな内容は、「主人公が理由もよく分からずあおり運転をするトレーラーに命を狙われる」というスリラー劇で、非常に設定が分かりやすい。 原作通りだと少し緊張感に欠ける映画となっていたが、脚色によって最後まで緊張感が途切れない。 具体的には、原作よりも犯人が異常にしつこかったり、主人公が他人に助けを求める・疑うなど、原作よりも話に納得できるようにし、原作とは全く異なる恐怖感を与えるための脚色がされている。 そして今作は演出…

今日の昼ごはんは、イカリングフライ定食だった。 所用で静岡県の西部、森町や掛川市へ行っていた。その訪問先の方々と一緒にお昼ごはんを食べることになって行ったのが、掛川市の「遠山食堂」というお店。 国道1号線バイパスの大池ICから車で1分程度の場所にある、小さなお店だった。昔は（あるいは今も土日は）仕出しや宴会もしていたような店舗が残るが、隣接する小さなお店が食堂になっている。 それはわたしが外国人だから: 日本の入管で起こっていること 作者:安田菜津紀 合同会社ヘウレーカ Amazon テーブル席ばかりの店内は落ち着いた雰囲気。短冊に書かれたメニューが大量に貼られていた。 僕たちが到着した11時…

BSプレミアム、ダークサイドミステリー 『本当の恐怖はどこにある？ エド・ゲイン事件 サイコと呼ばれた男』録画視聴。 www.nhk.jp 異なるテイストの三つの映画に取り込まれた一人の殺人鬼、エド・ゲイン。 犯罪者は通常、罪の痕跡を隠そうと努めるはずだが、 エド・ゲインにはその意志がなく、 彼は自宅に被害者の遺体のパーツを加工したインテリア・装飾品を並べていた。 事件当時、地元の住民は大きなショックを受けつつ、 おとなしいエド・ゲインに本当にそんなことが出来たのだろうかと考え、 口々に「彼はいいヤツだったが……」と述べ、首を傾げたという。 エド・ゲイン自身は警察での取り調べに対し「覚えていな…

あらすじ 妻を亡くし、うまくいかない人生に絶望して自殺しようとする頑固なおじさんのおはなし。とにかくいつも機嫌が悪くて、まわりからも嫌われ者。そんな彼は隣に引っ越してきた家族をきっかけに、徐々に心を開いていくことになります。 世界的にベストセラーとなったフレドリック・バックマンの同名小説を元に映画化されました。リメイク版でトムハンクス主演の『オットーという男』があります。 ひとりぼっちがしあわせ？一体なんだろう？と思いましたが、見終わるとしっくりきました！ ここからネタバレあり↓↓ 感想 結論から言うと、今まで見てきた映画の中でかなり上位に入る素晴らしい映画でした！！ 内容に自殺が出てくるので…

中世海洋冒険物「トマス・キッド」ものを久しぶりに読み始めました。 【中古】 風雲の出帆(1) 海の覇者トマス・キッド ハヤカワ文庫NV／ジュリアン・ストックウィン(著者),大森洋子(訳者)価格: 220 円楽天で詳細を見る 【中古】 ノルマンディ沖の陰謀(9) 海の覇者トマス・キッド ハヤカワ文庫NV／ジュリアン・ストックウィン(著者),大森洋子(訳者)価格: 605 円楽天で詳細を見る 本当は図書館から借りた「鉄の棺」を読むつもりだったのですが、文庫本ではないので持ち歩きずらいため、通勤時に読むのを断念しました。 【中古】 鉄の棺 Uボート死闘の記録価格: 7798 円楽天で詳細を見る

国際情勢が息つく暇もない昨今ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。世の中が落ち着かなくなればなるほどSNS上に拙速な言葉が飛び交うのはもはや避けがたい世界の有様ですが、そんな時ほど書物に蓄えられた思考に触れ、言葉の減速を図るべきかと思います。もう本でも読むしかない。というわけで月初恒例の気になる新刊チェックです。 白猫、黒犬 (集英社文芸単行本) 作者:ケリー・リンク 集英社 Amazon SF・ファンタジーの短編の名手として知られるケリー・リンク、実に10年ぶりの単著邦訳。入手困難なものが多いが、他に『スペシャリストの帽子 (ハヤカワ文庫 FT リ 3-1)』（同訳者）『マジック・フォー・ビギ…

毎週日曜日は、この一週間に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 （10/28～11/3 全88冊） *表示凡例◆掲載された媒体： 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数（②回以上を表示） ◆サンデー毎日「遠回りの読書」： 10/10・10/17 号 2 冊老人は荒野をめざす 嵐山光三郎 ちくま文庫 968仙人の桃 南伸坊 中央公論新社 3,300 ◆女性自身「今週のあなたを開く本」： 10/12・10/19 号 4 冊耳に棲むもの 小川洋子 講談社 1,980 ③人生後半…

毎週日曜日は、この一週間に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 （10/28～11/3 全88冊） *表示凡例◆掲載された媒体： 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数（②回以上を表示） ◆サンデー毎日「遠回りの読書」： 10/10・10/17 号 2 冊老人は荒野をめざす 嵐山光三郎 ちくま文庫 968仙人の桃 南伸坊 中央公論新社 3,300 ◆女性自身「今週のあなたを開く本」： 10/12・10/19 号 4 冊耳に棲むもの 小川洋子 講談社 1,980 ③人生後半…

【月曜はAsylumの人たち】５・ジョン・デイヴィッド・サウザー 先日の訃報が残念だったジョン・デイヴィッド・サウザーもまた早くからD.ゲフィンがその才能を見抜いてた一人で、デトロイト出身でテキサス育ちのssw。デビュー作「John David Souther」（SD5055）はブルーズとフォークの香り漂う1枚でロングブランチ・ペニーホイッスル時代の仲間グレン・フライも参加。そのイーグルスがずっと後になって、バンド最初期にカヴァーしてたサウザーの”How Long”をとりあげたのはいかにスランプだったの象徴でもありました。 https://www.youtube.com/watch?v=WP6…

「週刊文春」にて1996年8月29日号から2020年1月23日号まで連載された坪内祐三氏による文庫本書評「文庫本を狙え！」を文庫レーベル順に並べた。文庫レーベルはおおよそ五十音順に並べたが検索のしやすさを考慮し一部前後した箇所もある。 同文庫レーベル内では連載の古い順から並べ、それぞれ取り上げられた本の編著訳者名・書名・掲載号を記した。掲載号は（ ）内に記載し、（狙97.1.30）は、「週刊文春1997年1月30日号」を指し、「狙」は収録されている単行本を指す。 本リスト作成には以下の本を用い、略称の区分もこれに基づく。 【狙】『文庫本を狙え！』ちくま文庫, 2016年（1996年8月29日号…