ジョーカーは悪のカリスマを演じ、ハーレイクインは悪のカリスマを作り上げた。 虚構の悪のカリスマ像を信奉していた名もなき次のジョーカーがアーサーを殺して終わる。 まず重要なのは、このシーンは一作目のマレーを殺すアーサーのシーンと構成がそっくりなところだ。 1作目で、テレビという画面で切り取られた、マレーの優れたコメディアンという、ごく一面に憧れていたアーサーが、実際にマレーに会うと自分を見下す嫌な奴で、自分が抱いていたマレー像とは異なっていることに怒り、自分をバカにするマレーを撃ち殺す。 同様にアーサーを殺した名もなき男も、アーサーのジョーカー性に最初こそ憧れを抱いていた。アーサーの裁判をテレビ…