ジョセフ・フーシェ。
稀代の変節漢として知られるフランスの政治家。1759年〜1820年。オトラント公爵。
船乗りの家に生まれるが、虚弱体質だったので神学校で学んでから教師になる。
フランス革命が始まると、ナント市で活動して国民公会議員に選出される。
山岳派に所属して国王の処刑に賛成。次いで反乱を起こしたリヨン市に派遣されると、極度の武力鎮圧路線を取って反革命派多数を処刑する。
1794年、ロベスピエール派と対立の末に平原派らと結んで権力闘争に勝利、テルミドール9日の政変後、総裁政府の警察大臣となる。
つづいてナポレオンに協力、統領政府でも警察大臣になり、1809年まで秘密警察網を組織してあらゆる情報を牛耳る。その後、ナポレオンと対立してタレイランらとともに王政復古を策謀。
が、いざ王政復古がなると、国王処刑に賛成していた前科が禍して辞任に追い込まれ、フランスからも亡命を余儀なくされる。
ドレスデン、プラハ等と移り、最終的にトリエステに落ち着いて1820年12月25日に亡くなった。