作家。中近世ヨーロッパを舞台とした歴史小説が多い。 1993年、『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞を受賞し作家デビュー。 1999年、『王妃の離婚』で第121回直木賞を受賞。 他に「傭兵ピエール」「赤目のジャック」「双頭の鷲」などの作品がある。
略歴・紹介等はhttp://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/8826/が詳しい。
最終飛行(25-09)を読んで、シャルル・ドゥ・ゴール(1890-1970)に興味がわいて読んでみた。本書は同じく佐藤賢一さんによる著作。 ドゥ・ゴールと同じ1890年生まれは、ロナルド・フィッシャー、ヴァネヴァー・ブッシュ、ホー・チ・ミン、カーネル・サンダース、アガサ・クリスティ、仁科芳雄。あいにく本書では登場しないサン=テグジュペリより10歳年上だ。 古代ローマや、その後も教会で使われたことからわかるように、「ガリア」はラテン語である。それをフランス語になおすと、「ゴール」になる。(9) ということでシャルル・ドゥ・ゴールの名前は、フランス(ガリア地方)のシャルルさんという意味になるそうな…
ファイト(20-33)依頼の佐藤賢一さんの小説。本作の主人公は、「星の王子さま」で有名なアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900-1944)。サン=テグジュペリと同い年生まれは、杉原千畝、フレデリック・ジョリオ=キュリー、ヴォルフガング・パウリ、壺井栄。 さて、本書を読むまで知らなかったこと(認識から漏れていたこと)は2点ある。 サン=テグジュペリが飛行機乗り(軍人)であること 第二次世界大戦のフランス側からの視点 特に2.については、そもそも私自身が歴史全般に疎いので今更感はあるが、視点を変えれば大きな戦争が全く異なる出来事に見えてくる、当たり前といえば当たり前のことに気づかされた。 …
王妃の離婚 佐藤賢一集英社1999年2月28日 第1刷発行 1999年7月30日 第4刷発行 2024年8月3日 日本経済新聞で、【半歩遅れの読書術】にて紹介されていた本。面白そうと思って、図書館で予約した。 同じ 記事を読んだ人だろうか、1999年の本なのにたくさんの予約者がいた。秋になって、ようやく順番が回ってきたので、借りて読んでみた。 紹介者は、上田岳弘さん。夏にぴったり、と紹介していたのだ、、、。まぁ、季節は関係ない。記事によれば、 ”舞台は15世紀末のフランス。当時の国王であるルイ12世は、王妃であるジャンヌ・ドゥ・フランスとの「婚姻の無効」を争う裁判をしていた。なぜ「離婚」ではな…
14世紀、イギリスとフランスが闘った百年戦争と言えば、物語の主役級になる人物が多数登場し、歴史ファンにとっては興味深い時代。 イギリスで言えば、シェイクスピアが描いたヘンリー五世や、勇名を馳せたエドワード黒太子。一方のフランスでは、ジャンヌ・ダルクに、英雄ベルトラン・デュ・ゲクラン…。 そして、今回取り上げる小説の主役は、このベルトラン・デュ・ゲクランです。 佐藤賢一 『双頭の鷲』 新潮文庫 上下巻 双頭の鷲(上)(新潮文庫) 作者:佐藤賢一 新潮社 Amazon この人物の名は初耳という人もいらっしゃるでしょう。かくいう筆者も、名前ぐらいは、どっか、別の本の中で登場した記憶くらいはあるものの…
「ナポレオン」全3巻 佐藤賢一さん著(集英社)を読み終わりました。 購入したのが2019年だったので4年を経ての読破です。 約500ページ×3巻の長編(第1巻台頭篇・第2巻野望篇・第3巻転落篇) フランスを舞台にした多くの著作を手掛けられている佐藤さんのいよいよ真打登場といった作品であります。 作品の長さからいえば、こちらも佐藤さんを代表する「フランス革命」も文庫で全18巻の大著で、塩野七生さんの「ローマ人の物語」と並び日本人作家による歴史小説を代表する作品といえます。 またナポレオンを題材とした著作とすれば藤本ひとみさんの「皇帝ナポレオン」全2巻(角川文庫・2003年)と共に近年を代表するナ…
西洋史を舞台にした歴史小説がメインと思われる佐藤賢一は、「新徴組」「女信長」など日本史を舞台にしたものも書いているが、日蓮を主人公にして書いていたとは知らなかった。 全寮制の公立高校をドロップアウトして拾ってもらったのが日蓮宗系列のお気楽三流私立校で、一応宗教の授業もあり、日蓮の事績を勉強したりもしたので、この異能の宗教家に対して個人的な思い入れがある。 千葉の漁村に生まれ、幼いころから利発で、僧侶となるべく寺に入れられると勉学に励み、さまざまな経典を研究した末に日蓮が辿り着いたのは法華経を唯一信奉するべきと言う信念である(今風に言えば「法華経しか勝たん」と言うところか)。 当時は念仏信者が多…
マグロ祭りの期限か昨日までやったからね、 自転車でスシローに行ってきました。 マグロ2貫で100円(税込み)という昨今では破格の料金。 ・・・・ 夜の9時前でも結構人がいて驚く。 まあね、 日曜日だし考える事は皆同じですね。 ・・・・・ ネタもそれなりに大きく美味しかったよ。 ただね、 半分凍った状態で出てくるのは如何なモノか? 人気で解凍が追い付かなかったんだろうけどね・・・・・。 結局5皿、 追加で炙りチーズを1皿頼んで620円也。 底辺のささやかな贅沢です(*_*) ・・・・・・・ 日経が怒濤の暴落。 エムスリーもこれに追随。 連日で安値更新という悪夢。 単独で含み損6万円を超えたよ。 …
Zoom読書会 2022.07.31【テキスト】『ハンニバル戦争』佐藤賢一(中公文庫)【参加人数】出席4名、感想提出1名 <推薦の理由(参加者E)>◆歴史小説といえば日本の戦国時代を思い浮かべる人も多いと思うが、西洋が舞台の作品もあり、また違った楽しみ方ができるかと思い推薦させていただいた。◆ローマ時代の名前は日本人にとって馴染みが薄く、父親と同じ名前をつける風習もあり(日本でも歌舞伎や老舗企業の後継者などで襲名があるけれど)、ややこしく感じる。それに慣れたら読みやすくなるかな。ロシア文学よりはややこしくない。◆地名もややこしい。巻頭の地図にバエクラ等が載っておらず、塩野七生『ローマ人の物語』…
日本経済新聞の土曜日は書評欄が載っていて、楽しみにしているのだけれど、その一ページ前・【詩歌・教養】欄で3月から掲載されているのが佐藤賢一さんのコラム「王の綽名」。 「太陽王」ルイ14世や「獅子王」ウィリアム1世くらいなら小生も知っているくらい有名だけど、「禿頭王」だの「美髪王」だの「合羽王」だのと、微細を穿っていて面白い。 以前、「Bluetoothって由来なに?」とググったら、どうも北欧の王からとったようだということを記憶していたが、4/16版、デンマーク王「青歯王」として図らずも登場。青歯=虫歯とはね! www.nikkei.com マニアックで興味深いこのコラム、土曜版の楽しみが一つ増…
第6章 フランス共和国臨時政府 ローズヴェルトの戦後構想では、アメリカ、イギリス、ソビエト連邦、中国による「四大国の執政官政府が諸々の問題を取り決める。国際連合の議会が、この四大国の権力に民主主義的な様相を与える」というものだが、そこにはフランスは含まれていなかった。p182アルザス、ロレーヌを取り戻せば、それで十分なのではなかった。少なくとも「偉大でなければフランスではない」と考えるドゥ・ゴールには受け入れがたい。仮に敗戦国でなくなったとしても、まだ戦勝国ではないからだ。勝ったと声を大きくしたいなら、フランスは他の連合国に増して、ドイツに攻め入らなければならないのだ。p198その結果ヤルタ会…