多くの人命が失われる戦争を止めることができない。これほどに悲しいことはない。それほどに人類がまだ未熟であるということなのだろう。「正邪」「善悪」の基準さえ、まだ共有することができていそうにない。 「利に放(よ)りて行えば、怨み多し」(論語「里仁第四」12)という。 「私利私欲、利害打算だけで行動すると、他者から怨まれることが多くなる」という。今、世界で起きていることはこの言葉で説明できるのではないか。 論語に学ぶ 子貢(しこう)問いて曰わく、一言にして以て終身 之を行なう可き者ありや、と。子曰わく、其れ恕(じょ)か。己の欲せざる所は、人に施すこと勿(なか)れ、と。(「衛霊公第十五」24) 弟子…