「トルコ人は生まれない、トルコ人になるのだ(Türk doğmaz, Türk olunur.)」 これがトルコでどのくらい広く流布されている言い方なのか解らないけれど、なかなか格好良い言葉だと思った。 ひょっとすると、ボーボワールの「人は女に生まれない、女になるのだ」から連想された造語だったかもしれないが、「ルーツの如何に拘わらず、誰でもトルコ人になれる」というポジティブな意味合いで使われていたのではないかと思う。 実際、DNAを調べて見ると、現在のトルコ共和国の「トルコ人」は、様々な民族・人種の寄せ集まりであることが解るらしい。 1991年、トルコで暮らし始めたばかりの頃、トルコ人の老人か…