小訳『ポーランド問題について』の出版間際になって、Amazon に注文していた『The Last King of Poland』(2020, Weidenfeld & Nicolson)が届いた。内容は、タイトルのとおり、ポーランド最後の国王スタニスワフ2世(1732年~98年、在位1764年~95年)の伝記。 18世紀までのポーランドは、貴族の投票で国王を選ぶ選挙王政の国家だった。スタニスワフ2世はロシアの女帝エカチェリーナ2世の元愛人で、ポーランドを属国化するために彼女によって担ぎ出された人物。このため彼には最初から国王としての権威がなく、貴族の反乱と、ロシア、プロイセンの軍事介入という大…