映画「黒いドレスを着た女」(原題:Hidden Moon、2012、劇場未公開)を見た。メキシコとアメリカ合作によるミステリー・ロマンス。ホセ・ペペ・ボホルケスが監督・脚本を務め、物語は、家族の秘密と文化の違い、さらに運命的な愛を描いている。 タイトルからお気に入り映画「白いドレスの女」のようなサスペンススリラーかと思ったら、肩透かしを食らった。複雑な家族環境を背景にした3角関係を巡るドラマでサスペンスとは無縁だった。 原題の「隠された月」というのが、真実の愛だったというややステレオタイプだったかもしれない。美しい街として描かれるグアナファトというメキシコの風景などが見ごたえがある。演技や脚本…