日本の政治が安定しない理由は、政党の数や政策の違いにあるのではない。根底には、言葉の空洞化と、それを助長する報道構造、そして有権者の判断力の揺らぎがある。野党は分裂を繰り返し、新興政党がなりふり構わず議員数を伸ばそうとする。理念や責任よりも、目先の影響力を優先するその姿勢は、政権交代の可能性を制度的に閉ざすだけでなく、政治そのものを「消費型の娯楽」に変えてしまっている。 比較的新しい政党の選挙演説は、怒りや耳障りの良い言葉で満たされ、構造的な提案や倫理的な一貫性を欠く。マスコミは、極端な発言やパフォーマンスを面白がって取り上げ、政党の実務能力や理念の違いを伝える努力を怠る。有権者はその報道にさ…