「堂場瞬一の『メディア三部作』」の第三弾は、『社長室の冬』(集英社、2016年)です。日本新報の社長室に異動した南康祐。取材とはまったく関係のない部署に移ってまだニケ月目。仕事にはなじめていません。ところが、同社の外資への売却話が進むなか、推進役の小寺社長が急死します。そして、南は後継者となった新里明新社長の側近として奔走することに。大手新聞社がおかれている厳しい現実の一端を知ることができます。 [おもしろさ] 「紙の新聞」VS「ウェブ新聞」 日本新報の売却先として登場する「AMC」は、「アメリカのローカル紙を次々に買収し、紙の新聞の発行を停止して、ウェブサイトのみでニュースを流すビジネスモデ…