ルビンの壺が割れた(新潮文庫) 作者:宿野かほる 新潮社 Amazon 会社の同期というものは非常にありがたいもので、その人伝いでしか知り得ない作品というものがたまにある。自分が細々と読書を続けていることを知っていた同期が「ルビンの壺が割れた」を紹介してきたのはある日の昼食の事だ。口から先に生まれたようなその同期に約一時間みっちりルビンについて語られることになるのだが(ほとんどネタバレなし)、その記憶が頭の片隅に残っており、数日後に書店でふと見かけて何気なく手に取った。自分は流行に対する興味というかリサーチをそもそもしないので、あまり話題作というものに自発的に手を付けることがない。「なんだか体…