朝、目が覚めたら頭にツノが生えていた。青木ルリ、高校一年生。前の日まで、そんなものはどこにもなかった。ぶつけた覚えもないし、心当たりもない。硬くて、動かなくて、引っ張っても取れない。 母親に見せたときに返ってきたのは、悲鳴でも病院へ行こうという提案でもなかった。父親が龍だから、その遺伝かもしれない。朝の家の中で、そういう話が出てくる。ルリにとっては初耳で、しかも証拠が自分の頭の上に乗っている。 普通なら、ここから話は大きく動きそうなものだ。龍の一族、隠された血、待ち構えている敵。ところが『ルリドラゴン』でこのあとルリがするのは、制服に着替えて学校へ行くことである。ツノを生やしたまま、いつもの時…