フランスの田舎町、ルルドをご存じだろうか。 ピレネー山脈のふもとにあるこの町には、かつて聖母マリアが出現したといわれる洞窟がある。現在もカトリック教徒の巡礼地として知られ、世界各国から訪問者が絶えることはない。 ことのはじまりは1858年、この地で、貧しいひとりの少女が不思議な体験をする。彼女の名前はベルナデット。薪を集めるため、下のきょうだいたちとマサビエルの岩山までやってきた。その下にある広い洞窟に枯枝が蓄積されているの発見。しかしそこへ行くには川を渡らねばならない。苦心していたその時、風が鳴るような音がした。白いベールに包まれた聖処女が現れたのだ。柔らかな光に包まれ、ベルナデットは難なく…