泣虫記者:入江徳郎、三芳悌吉・画 1955年(昭30)鱒書房刊。 入江徳郎(1913~1989)は昭和を代表するジャーナリストの一人。時事評論やニュースキャスターとして活躍したが、最初は朝日新聞社の社会部記者としてニュース現場での豊富な経験を綴ったのが本書になる。全17篇。奇矯な事件への遭遇もあるが、一見単純な事象として見逃されるような出来事の背後に隠されていた別の真実を明らかにする記者の真骨頂は、本職でなければ味わえない迫力があった。多少の脚色はあるだろうが、新聞社内の緊迫感とともに、達意の文体の完成度に敬服する。当時ベストセラーとなり、1952年東映で映画化された。また同書は「続」「続々」…