4588号 引き続き、浅草[弁天山美家古寿司]。 つまみ二品、にぎり、平目昆布〆、すみいか、鯛、しまあじ、まで。 次は、光物。 小肌、から。 四本の飾り包丁。 小肌というのは、うまいものである。 おそらく、江戸前のにぎりの中で、最もうまいし、江戸前にぎり鮨をらしいにぎりと考える。これを粋という。 小肌(鮗・このしろ)というのは鰊(にしん)の類だが、東北南部が北限のようで、比較的温かい内湾、汽水域にいる。東京湾にも今でもいるようだが、流通はしていないのか。 光物だが、皮をむかずに〆て、にぎる。皮のグラデーション模様の姿も美しい。 小肌の酢〆ならなんでもうまいのかといえば、やはり〆具合も大切。半生…