リスクと生きる、死者と生きる 作者:石戸諭 亜紀書房 Amazon 「高台から何もなくなった町の様子は見えました。それを見て突っ伏して何も動けなくなった同僚、泣き崩れた同僚がいました。彼らの家があった場所だからです。どうしても家を見に行くと言った人もいました。気絶したように倒れた人もいました。突然、大きな声を出して泣く人もいました。みんな、地元の人です。 職場は先が見えない大事故のリスクを抱え、家族がいるはずの場所、家があったはずの場所はなくなった。「原発事故の訓練はしていたのか」とよく聞かれるのですが、事故が起きたあとの作業員のメンタルまで想定した訓練はしていませんでした」(p222,223…