レーニンは〈分離ののちの結合〉論を打ち出すことによって、『共産党宣言』の精神をロシアの特殊的現実へと彼なりの仕方で貫徹させた。ここで「ロシア」と簡単に書いたけれども、ロシア帝国の「支配民族」たる、いわゆる「大ロシア人」は帝国人口全体の半分にも満たず、その他には100を超える数のエスニック集団がいる。これらが統合されないままそれぞれ独立した言語集団・部族集団の形を残しているのは、ツァーリの統治する「帝国」が、皇帝権力の軍事的支配と、それに服従する「公国」等の小支配階級による忠誠関係によって成立していたからである。これは近代以後の国民国家と大きく異なるところであって、「資本主義の最高発展段階として…