黒田寛一の哲学をわがものに 5の1 探究派のブログに、「学習ノート 『歴史的現実』(田辺 元著) 黒田寛一「解説」を読んで」と題する、西知生が書いた黒田を批判した文章が載った。 この文章は探究派の「実践論」が黒田の実践論と全く別物である、ということを定式化したものとして記念碑的なものである。 私は、このことを明らかにし、彼らの黒田への批判の無意味性を確認して、以後関知しないこととする。 時間の無駄だ!! 1 無知、無内容、無節操 西は、冒頭にわざわざ佐藤優を引き合いに出し、「佐藤の田辺元の講義に対する怒りが、ほとばしり出ているではないか。私は、民主的キリスト教徒としての立場とはいえ、田辺を強く…
9月2日にイスラエル各地の主要都市で、ネタニヤフ政権の退陣を求めて大規模なゼネストが敢行された。これはナショナルセンターの「ヒスタドルート」(Histadrut)が呼びかけた行動で、テル・アヴィヴ国際空港では午前の発着便が欠航となり、また各自治体の業務が一時停止されるに至った。ゼネストは裁判所の命令により当日14時半に中止させられたものの、前日・9月1日の50万人規模での反政府デモと共に、ネタニヤフ政権を着実に追い詰めたのである。 昨年10月7日のハマスによる越境攻撃以来、イスラエル国防軍による「報復」によって命を失ったパレスチナ人の数はすでに4万人を超えた。この蛮行に対して、停戦を求める反戦…
「革マル派」、国際的思想闘争からの逃亡の隠蔽 「革マル派」はこれまで海外の反戦・平和団体にメッセージを送り、海外から届いたアピールの発表を続けてきたが、今年は海外の反戦・平和団体に返信してくれるなとアピール文に添え書きをしたという。「私たちの大衆的な集会にメッセージを寄せることが、彼らへの弾圧を招くことになってはいけない。だから、私たちは、今年は「弾圧を避けるために、メッセージは送らないでください。私たちのアピールは読んでいただくだけで結構です。」」と添え書きをして送ったという。そうすることで、「革マル派」としては機関誌やホームページでは公表しないという。 これは海外の反戦団体を馬鹿にする行為…
表紙帯「黄昏とともに羽ばたく梟にたとえられた哲学を〈歴史的現実の学〉たらしめた田辺元。されど〈種の論理〉をもつて現人神と大東亜共栄圏を根拠づけ、爾後に懺悔した悲劇の哲学者」 これは、こぶし書房から出版された田辺元著『歴史的現実』の表紙帯の一文である。この『歴史的現実』という論文は、田辺が、昭和十四年に京大生を前にして、学生を戦地に送るためになされた講義の速記を上梓したものである。 佐藤優はこれに対して、2015年に「二度と騙されないために」とこの著書の批判合宿講座を開いている。そしてこの合宿講座記録を「悪魔の京大講義」表題をつけ出版していた。 その表紙には次のように書かれている。「学生を戦地に…
黒田寛一の哲学を哲学をわがものに4-3 真弓海斗が書いた『プロレタリア的聖人君子づくり主義の克服』とういう文章は、黒田が主張していた「共産主義的人間への変革」に対する探究派のLFづくりというアングルでの黒田批判である。その文章の中で露呈したのが、松代による自己変革=自己否定の立場を向上心と規定したところの「目を内に向けること」「自己凝視すること」、哲学することを投げ捨てた、実に楽な自己変革論である。黒田の主張は、LFづくりという際にオルグが失敗するというだけでなく、労働者(学生)を我が組織へ組織化する上で、わが組織の中での対他関係を破壊してしまう、という重大な問題があるということを述べているの…
2 黒田の人間変革の論理を捨てた「探究派」 この真弓海斗が書いた『プロレタリア的聖人君子づくり主義の克服』においては、先輩同志=松代と思われる人間の言葉が引用されている。おそらく松代が加筆・訂正して「探究派」ブログに掲載したのであろう。 《これにたいし先輩同志(松代)は「このあたりの私の考えは、黒田寛一と相当違うと思います。違うということは、わが探究派でいろいろ論議し、『実践と場所』をも検討して、自覚してきたことです。黒田寛一は、欠陥や癖、これを規定している人間的資質をかえろ、と言います。そんなどころの話じゃない、職場で一人でわが組織をつくろうとすれば、自分に欠陥や癖や凸凹があっても、自分のあ…
黒田哲学をわがものに4 探究派公式ブログにおいて『プロレタリア的聖人君子づくり主義の克服』 (真弓海斗)と題する文章が掲載された。 この「真弓」なる人物による、「革マル派」時代の「革マル」になり損ねた自分を述懐したこの文章は面白い。実にイメージがわく。「革マル派」組織の当時の質を如実に描いているからだ。 1 主体性なきものの「党」 《私は、反スタ運動を担う者や党員になる者は、一切のブルジョア的汚物を除去し、なんの欠陥もない人間にならなければならないのだ、というイメージをかつてから抱いていた。それは、黒田寛一の書物や「解放」を読んだり、「革マル派」の者から話を聞いたりしたことから抱いたのだと思う…
プラズマ出版の出版物は、4階フロアにあります。 6月になって書架の位置が変わりました。 4階フロア中央寄りの柱状の書架です。 4階フロア中央あたりの書架に移動しました。一階の正面奥にあるエレベーターで上がると見えやすい位置に展示されています。 創造ブックスなどの本は、機関紙の上の段にあります。 ぜひ、神田神保町にお立ち寄りの折には、ご確認くださいますようにお願いします。
『国際主義者通信』の発売にあたって この小冊子Internationalist Correspondence Bulletinは、二〇二三年七月と二四年二月の二度にわたりイタリア・ミラノで開催された「国際主義者会議」(Internationalist Meeting)、その報告集である。ロシア・プーチン政権によるウクライナへの軍事侵攻、そしてイスラエル・ネタニヤフ政権によるパレスチナ人民に対するジェノサイドが進められている中で、帝国主義戦争に反対するプロレタリアートの国際的闘争を推進するための方向性について討論することが、会議の目的であった。イタリアの共産主義組織ロッタ・コムニスタを中心とする…
大いなるものが過ぎゆく野分かな 高濱虚子。大づかみに直観的に口から出た言葉をそのまま詠む虚子の特長的な句である。人間探究派と呼ばれた加藤楸邨は、死ねば野分生きてゐしかば争へり、と詠んだ。「生きてゐしかば争へり」は、もしまだ生きていたならまた諍(いさか)いをしているに違いないということであるが、「死ねば野分」を死んでも野分のような気分に襲わていると読者に読ませるのではなく、死んでしまえばまるで「野分」が去ったあとのようだという思いのその「去ったあと」を読み取ってもらうために加えた「生きてゐしかば争へり」である。贈物無し野分のあとの佛像に 澁谷 道。供え物を失ってしまった「佛像」を、残念がる人間臭…
私は、反スタ運動を担う者や党員になる者は、一切のブルジョア的汚物を除去し、なんの欠陥もない人間にならなければならないのだ、というイメージをかつてから抱いていた。それは、黒田寛一の書物や「解放」を読んだり、「革マル派」の者から話を聞いたりしたことから抱いたのだと思う。私も、組織成員になるには、自分自身の性格などの内面、趣味、興味、感性などを、ブルジョア社会に生まれ生きてきて身についたもの=汚物として綺麗に除去しなければ、革命的共産主義者にはなれないし、「革マル派」の成員にはなれない・なってはいけない、と思っていた。完璧な人間、完璧なプロレタリアにならなければいけない、というイメージだ。こういうこ…
2、階級闘争の主体的推進をめぐって そして今回のミラノ国際会議にあたり、われわれは各国の同志たちに向けて<階級闘争の主体的推進>のために共に闘うことを呼びかけた。このことをあえて強調したのは、各国の団体がそれぞれ寄せた論文が、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエルによるパレスチナ人民虐殺をめぐる情勢分析に焦点を絞っており、革命的左翼がいかに闘うのかの指針をほとんど論じていなかったからである。たしかに、「民族自決権」のスローガンを真正面から批判してプロレタリア国際主義に立脚した反戦闘争を呼びかけた点では、ロッタ・コムニスタの論文は卓越していた。しかし彼ら同志たちはレーニンの『何をなすべきか?』の現在…
本年2月17日・18日の二日間にわたってイタリア・ミラノで開催された「国際主義者会議」に関して、これまで本ブログでは、わが探究派の寄稿した論文、集会参加者へのメッセージ、そして会場で提案されたアピール文を掲載してきた。今回は連載の締めくくりとして、実行委員会の構成団体である「ロッタ・コムニスタ」の同志から寄せられた意見を要約する形で紹介し、われわれの態度を明らかにしておきたいと思う。 1、民族問題をめぐって このブログの読者諸氏はすでにご承知のことと思うが、「革マル派」中央官僚は昨年末、「笹山登美子」に「ロッタ・コムニスタはプーチン擁護をやめよ!」と題する駄文を書かせ、『解放』(2796号)に…
以下に掲載するのは、2024年2月17日・18日両日にわたってイタリア・ミラノで開催された「国際主義者会議」の締めくくりに実行委員会が提起したアピール文である。 わが探究派もまたこれに賛同し、署名した。 文末にあるように、次回会合の開催は1年後に予定されている。(春木良) IMFの算出によれば、1998年時点における世界全体の生産量では、先進国が57%、新興国が43%を占めていた。だが2022年にはその比率が逆転し、新興国が58%、先進国が42%になったという。これほど重要で、かつこれほど短期間で経済大国が交代したのは、帝国主義の歴史上、類例がない。台頭している中国とインドがこの地殻変動の発生…
以下に掲載するのは、イタリア・ミラノで開催された第二回「国際主義者会議」出席者に向けたわれわれ革共同・探究派のメッセージを邦訳したものである。 今回は現地に赴くことができなかったため、私が以下の文章を英語で読み上げてその動画を実行委員会に送付し、2月17日当日に会場で放映してもらう形をとった。 (国際部・春木良) 同志の皆さん! ウクライナとパレスチナで帝国主義戦争が継続している中で、国際主義者が一同に会し、プロレタリアートの革命的団結の方向性について討論する機会が再び設けられたのは、きわめて意義のあることです。この会議を設定してくれたイタリアの同志たちに心からの感謝を表明するとともに、今回ミ…
2024年2月17日・18日の二日間にわたり、イタリア・ミラノ市内にて第二回の「国際主義者会議」が開催された。今回の議題は「列強間の闘争における決定的なポイント:ウクライナから台湾、アフリカから中東まで:労働者階級としての対応のために」である。ウクライナに続いて中東でも夥しい数の人々が死に追いやられている中で、この危機を突破するべき革命的左翼の分裂は、なお克服されていない。そうした中で、イタリアの共産主義組織「ロッタ・コムニスタ」を中心とする実行委員会が呼びかけたミラノ国際会議の場は、世界各地域の団体が率直に意見を交換し批判し合うことのできる貴重な場となっている。わが革共同・探究派は、昨年に引…
先日の投稿でお知らせしたように、イタリアの同志たちによって編集・発行された小冊子が、われわれのもとに届いた。これは、今年七月にイタリア・ミラノ市内で開催された国際会議「帝国主義的世界秩序の危機とプロレタリアートの対応」の報告集である。この中には、世界各地の26団体が討論のために事前提出した論文と、会場で提案された集会アピール文が収録されている。これに関して「革マル派」中央官僚が『解放』2793号の中で嘘八百を並べ立てている。会議に出席した者として、ここで一言述べておきたい。 その前に、前置きをひとつ。「革マル派」官僚は、ロッタ・コムニスタが第61回「国際反戦集会」に寄せたメッセージの掲載を可能…
Appeal from the meeting of the internationalist forces 15-16 July,2023 今年の7月15~16日、イタリアのミラノで開催された国際会議の報告集が、124頁にわたる冊子におさめられて、探究派に送られてきました。 他に Inter Nationalism No,57 Lotta comunista 638 の最新号が同封されています。 詳しくは、今後紹介していきます。