「私、泣きそうになった」 まつりが言った。どうやら怒られることはなさそうだし、気にいってくれている。 ただ、猛烈に恥ずかしい。お母さんにまで見られてしまった。 顔が火照る。暖房が効きすぎているんじゃないか、この部屋は。 「やっぱり、二人は運命共同体ね」 まつりママが言う。 いや、だから、お母さん、それは重い意味があります。だいたい、物わかり良すぎる。世間のお母さんとは。かなり感覚が違う気がする。 口に出せないので、心の中で突っ込んだ。まだ、ボケーッと立ったままだ。 「じゃ、がんばりなさい。しっかりね。それから、二人とも節度を持って。まだ高校生なんだから」 言って、まつりママが出て行った。 二人…