英語学習の一環として取り組んだ Spencer Johnson,Who Moved My Cheese?,London,1999 を読了したので、感想の断片を認める。 本書は二〇〇〇年に扶桑社から邦訳が出版され、日本国内でも累計四〇〇万部に達する売上を誇る、極めて華々しい数字に彩られた国際的に著名な自己啓発の為の書物である。内容は単純明快で、その主題は「変化への対応」である。新型コロナウイルスの蔓延に伴って価値観や生活の過半を強制的に改革されるという得難い経験を踏まえた我々にとっては、本書が扱っている主題は否が応でも馴染み深いものであると言えるだろう。 変化に対応することの重要性に就いて、現代…