井上薫は、元判事、退官時の所属は横浜地裁であった。
積極的な著述、発言をする異色の裁判官として知られ、とくに「判決文で、結論を導くのに必要のない部分は蛇足で不要なもの」という信念から、ごく短い判決文になることで有名で、それに関する「司法のしゃべりすぎ」という著書もある。
しかし2004年11月、浅生重機横浜地裁所長が「判決が短すぎる」と改善を要求した。
所長は人事評価書でも、井上判事の態度に否定的な内容を執筆した。
これを受けて2005年12月9日、最高裁の下級裁判所裁判官指名諮問委員会が、上記事情などを考慮してか、再任不適当と答申した。
井上氏は、不当な裁判干渉として逆に同所長の罷免を求めていた。
だが、2006年になって自ら再任希望を取り下げ、同年4月の任期切れで退官した。
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