亡き魂《たま》ぞ いとど悲しき 寝し床《とこ》の あくがれがたき 心ならひに 亡き葵の上と源氏の君の部屋にあった源氏の歌🪷 〜亡くなった人の魂もますます離れがたく 悲しく思っていることだろう 二人で寝た この床を わたしも離れがたく思うのだから 【第9帖 葵 あおい】 亡き魂《たま》ぞ いとど悲しき 寝し床《とこ》の あくがれがたき 心ならひに と書いてある。 「鴛鴦瓦冷霜花重《ゑんあうかはらにひえてさうくわおもし》」 白居易 長恨歌より と書いた所にはこう書かれてある。 君なくて 塵《ちり》積もりぬる 床なつの 露うち払ひ いく夜 寝《い》ぬらん ここには いつか庭から折らせて源氏が宮様へ贈…