宗旦木槿(そうたんむくげ)が、稽古場に活けてありました。 一輪咲いた花は、白色に底紅の色が淡く浮き出ていて、いかにもはかなげな風情を漂わせています。今朝咲いたこの花は、夕方にはしぼんでしまうのです。一日限りでしぼんでしまうはかなさを、「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」と表現したりします。この言葉の出典をたどっていくと、白居易の詩『放言』のなかの一節「槿花一日の栄」に行き着きます。 松樹千年終是朽 (松樹千年終に是れ朽ち) 槿花一日自為栄 (槿花一日自ら栄を為す) 松の寿命は千年というが、いつかは朽ち果てる。 木槿の花は一日の命ながら、命を立派に全うしている。「松樹千年翠」に詠まれる松樹…