月月に月見る 月は多けれど 月見る月は この月の月 詠人不知 (一挙博覧 巻第二 53) 古来、人々はこの夜の月を愛でて、供え物などしてきました。その源は、七夕と同じように中国ですが、唐の後半ごろから詩にも詠まれています。中でも有名なのは、11世紀始めに編纂された和漢朗詠集にある、「八月十五日の夜、禁中に独り直し月に対して元九を憶う」という長い表題の白居易(白楽天)の作品です。 八月十五日夜禁中獨直對月憶元九 作:白居易 銀臺金闕夕沈沈 獨宿相思在翰林 三五夜中新月色 二千里外故人心 渚宮東面煙波冷 浴殿西頭鐘漏深 猶恐清光不同見 江陵卑溼足秋陰 和訳したものをここに載せます。 銀大門やきらび…