阿闍梨餅本舗「満月」(左から)京納言、阿闍梨餅、満月 またも身にあまるご進物に与ってしまった。京都銘菓に不案内の身には、もちろん生れて初めて視る菓子だ。なるほど、味にうるさいかたがたは、こういう菓子を召しあがるのか。 京納言は棹もの。小豆粒がこし餡に浮いていて、全体を寒天でつないである。夏に冷して食べたいサッパリ羊かんだが、粒餡の主張がきわだち、きんつばをいたゞくような食感もある。 阿闍梨餅は比叡山で修行する阿闍梨の笠を模した焼饅頭。皮色は粉による普通の焼菓子に似て、その粘りはたしかに餅。なかは粒餡。 満月は、庶民の分類で申せば栗饅頭。しかしなかは白豆餡で、裏ごしに工夫あるのか、すこぶるなめら…