ーーーー講義録始めーーーー 感染経路に関する説明に加え、宿主の感受性についてご説明します。 まず、前述の通り、病原体が宿主の体内に侵入しても、必ず感染を引き起こすわけではありません。すなわち、病原体が宿主の体内に侵入しても、そのまま増殖せずに排除されれば発症しません。ただし、一部の病原体は産生する毒素により悪影響を及ぼす場合があります(例:黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌)。 また、感染症や伝染病に対する宿主の防御機能を免疫といいます。宿主が特定の感染症に関与する病原体やその毒素に対して、特異的に働く抗体や細胞を保持していることが、感染に対する抵抗力となります。実際、感染症の流行時に発症しない、あ…