BCGワクチンは、日本では赤ちゃんに打つ結核予防ワクチンとして知られています。しかし近年、BCGが本来の目的以外にも、幅広い感染症から体を守る力を持つという驚くべき事実が報告され、科学界に大きな注目を集めています。本記事では、2012年に発表された画期的な論文を元に、この現象の科学的根拠と仕組みについて詳しく解説します。 BCGはなぜ「結核以外」にも効くのか? もともとBCGワクチンは、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に感染しないようにするために開発されました。しかし、アフリカなどの地域での観察によって、BCGを接種した子どもたちが、肺炎や下痢など結核とは無関係の…