ーーーー講義録始めーーーー 今回は、「食」と「生活習慣病」の関連についてお話ししたいと思います。 生活習慣病は、かつて「成人病」と呼ばれていました。多くの病気の発症や悪化には、「体質」と呼ばれる遺伝的な因子と、食生活や運動習慣、喫煙・飲酒などの後天的な環境因子の両方が関係しています。 「生活習慣病」という言葉には、生活習慣の見直しや改善によって、病気の発症や重症化を効果的に予防できるという考え方が込められています。 近年の研究によって、生活習慣病の根底には「慢性炎症」が存在することが明らかになってきました。慢性炎症は、不適切な食事内容や、腸内細菌叢(マイクロバイオータ)の乱れなどが関与し、身体…