ああ、あたしはこの人のことが、本当に好きなんだ。 ヒロと出会ったのは、たしかあたしが異動して間もない頃だった。 誰にでも礼儀正しくて、でもどこか無理をしているような笑顔。 何か、抱えてるんだろうなって最初からわかってた。 でも、そんなヒロが打ち合わせの帰りにふと見せた横顔が、あまりに優しくて。 あのとき、たぶん、もう心が傾いてた。 ヒロが自分の病気のことを少しずつ話してくれるようになったのは、それからずっと後だった。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); あたしはただ、「そうなんだね」としか言えなかった。 本当は、すぐに「平気だよ…