*概要
岡山県苫田郡鏡野町上齋原と鳥取県東伯郡三朝町木地山との間に位置し、両県の県境を成す峠。下は国道179号線が走る。
鳥取県側には1955年に発見された、国内に存在する唯一のウラン鉱床がある。一時は、ウラン濃縮原型プラントも建設され盛んに国産資源活用の道も探られたが、品質が低く採算に合わないため採掘は中止。2001年にはウラン濃縮原型プラントも閉鎖。現在は日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター*1が開設され、研究が行われている。
付近には「人形峠展示館」がある。http://www.jaea.go.jp/04/zningyo/
*由来
峠で旅人を襲う化け物(大蜘蛛説と蜂説がある)退治の際に、おとりとして人形を使ったと言われる伝説に由来する。
*補足
その由来地は近くの人形仙という山の峠である。ウラン鉱床発見以後、「人形峠」という名前がそちらへ移動したのである。以後、人形仙の峠は「人形仙峠」となった。ちなみに現在の人形峠はウラン鉱床発見までは通称として「打札」と呼ばれていた。
*補足その2
鳥取県湯梨浜町方面(かたも)地区の「ウラン残土問題」(http://uranzando.jpn.org/uranzando/ 参照)。人形峠の日本原子力研究開発機構内部で処理する話もあったが、事業所自体が岡山県内にあり、岡山県知事が拒否したため、それはウラン残土の問題が長引いた理由のひとつでもある。
残土はアメリカと人形峠の鳥取県側(木地山地内)で処理するとのこと。木地山地内ではレンガに加工するとのことだ。このレンガを日本原子力研究開発機構の敷地内で利用する計画とのことである。
(記:2007.01.17)
*1:もともとは「原子燃料公社」→「動力炉・核燃料開発事業団」→「核燃料サイクル開発機構」の事業所