平均寿命を参考にすると、人生の半分はゆうに過ぎた。四十を越えた頃は、まだ半分、という余裕を感じていた。百二十歳くらいまで生きるつもりでいたから、まだまだ三分の一だ、くらいに考えていた。ところがどうだろう、五十を越えた辺りから、心持ちが変わってきた。日本人男性の平均寿命である八十歳まであと三十年だ、と考えると、むしろいつ死んでもおかしくないではないか、と思うようになってきた。だらだらと犬と昼休みを過ごしている場合ではない。 昼休みの風景。 人生というものは可能性が減っていく旅だ。小学生には可能性が沢山あるように感じる。中学生になればそれが少し減り、高校生ともなれば、さらにそれが減る。文系理系とい…