東京五輪が先日幕を閉じた。パラリンピックはこれからだが、宴の後的な寂寥感を感じている。空前のメダル・ラッシュに列島が沸いたが、メダル如何に関わらず、健闘した全てのアスリート、関係各位に感謝を捧げたい。そんな最中に相も変わらず歌舞伎観劇。その第二部の感想を綴る。 幕開きは『真景累ヶ淵』から「豊志賀の死」。云わずと知れた落語界中興の祖、三遊亭園朝の作。この人は歌舞伎で云えば九代目團十郎みたいな人。この方作で今でも普通にホール落語等で取り上げられる噺が幾つもある。そして歌舞伎のレパートリーになった作品も多い。歌舞伎的には受け継がれている型を多く残した人、みたいな感じだろうか。今回は七之助の豊志賀、鶴…