金岡秀友先生の『空海 即身成仏義』を読み進むうちに次の一節に出会い、小膝を打ちました。以下、引用です。 ★ 釈尊の行実をふりかえってみよう。 あらためていうまでもなく、釈尊は「人の子」であった。八万四千の法門のどこにも、釈尊は「神の子」で、母なる人が処女のまま身ごもったなどとは書かれていない。中インド、マガダ国の北隣り、カピラ国王のシュドーダナ(浄飯)と母マーヤー(摩耶夫人)の子で、幼名をシッダールタ(悉達多=成就)、姓をガウタマ(瞿曇=無上牛)といった。長じて美姫ヤショーダラー(耶輸陀羅)を娶り、一子ラーフラをもうけ、二十九歳で城を出て修行者となり、三十五歳で大悟成道し、以後、城の家族へもど…