母子草 ずいぶん前のことですが看護師が常駐している高齢者福祉施設で法話をしたときのことです。会場に集まった高齢利用者の多くが認知症の方でした。みなさん車いすに座っておられます。話しを始めても身動きもせず反応もあまりありません。 私は仏教讃歌を歌いました。子どものころ日曜学校でみんなといつも歌っていた「ほとけのこども」です。 ほとけのこどもわれらは ほとけのこどもなりうれしきときも かなしきときもみおやのそでに すがりなん われらは ほとけのこどもなりおさなきときも おいたるときもみおやにかわらず つかえなん しみじみとした歌でとてもシンプルです。それでいてなんともいえない深い味わいがあります。…