今得意して云く、二箇の相承は正しくこれ弘宣伝持の付嘱なり。謂く「日蓮一期の弘法、白蓮阿闍梨日興に之を付嘱す。本門弘通の大導師たるべきなり」とは、これ弘宣付嘱なり。故に「本門弘通」等というなり。「釈尊五十年の説法、白蓮阿闍梨日興に相承す、身延山久遠寺の別当たるべきなり」とは、これ伝持付嘱なり。故に「別当たるべきなり」等というなり。秘すべし、秘すべし。 今回は『撰時抄上愚記(文段)』から付属に関する日寛上人の御指南を学びたいと思います。本文の前に「付嘱に三義あり」として、弘宣付嘱・伝持付嘱・守護付嘱の3種の付属を挙げられています。弘宣付嘱とは「四依の賢聖、釈尊一代所有の仏法を時に随い機に随って演説…