多くの知人建築家はWindows98からPCとの戦いが始まった。御多分に洩れず彼も同時期にパソコン(PC)を購入し、小学生の娘を師としPCの道を歩みだした。しかし利用の仕方は他建築家と少々違う道を辿った。もともと彼は周囲の人が右を向くと、左を向く特性があった。 回りの建築家の多くはPCをキャド(PCの図面作成システム)により図面を効率的に綺麗に作成する機械と捉えていた。しかし彼はそれまで20年近く修行した「図面を描く」ことが簡単に捨てられず、「手書きの味」に拘った。キャド化したのはそれから3年後で、その時は「手書きで設計者の情熱を伝える」「機械的な建築でなく人間的に」などと考えた。彼がPCで目…