『作家の値うち』/福田和也/飛鳥新社/2000年刊 大学受験のときは理工学部を志望して一年浪人までしたのに、結果は惨敗で、受かったのは予備校の先生に勧められて受験した某私大の環境情報学部だけだった。入学はしたけれど、これという目的もなく漫然と大学に通うなか、たまたま履修した講義を担当していたのが福田和也先生だった。第二次世界大戦下の文学や思想を題材とした講義内容がおもしろかったことに加えて、その人のゼミでは飲み会に参加すれば単位がもらえるらしいとの噂を聞いて、以降の私は福田さんの授業とゼミを中心とした大学生活を送ることになった。 卒業後、就職先が決まらずフリーライターとして活動するようになると…