ミュージカル「ベートーヴェン」は、彼の死後に発見された《不滅の恋人》への手紙について、その宛先がアントニー・ブレンターノであったという説に基づく愛の物語です。初回の観劇ではひたすら圧倒され、また正直なところ話がよくわからない部分もあったのですが、井上芳雄さんと花總まりさんの魂をぶつけ合う演技に魅了され、観劇を重ねる中で、芳雄ルートヴィヒのみならず「ベートーヴェン」という作品にも完全に沼落ちしました。 ルートヴィヒとトニのことをもっと知りたくなり、いろんな本を手に入れて読んでみたのですが(末尾に参考文献リストあり)、読み進めるうちに初学者の私を悩ませたのは、「史実」はいまだ解明の途上であるという…