東京電力福島第1原発の廃炉作業で生じる処理水の海洋放出が始まり、半年となった。これまで設備や運用面で目立ったトラブルはなく、周辺海域の海水や魚類でも異常は確認されていない。 国際原子力機関(IAEA)は1月、海洋放出の開始後初めてとなる検証作業の結果を公表した。東電によるこれまでの運用について「国際的な安全基準に沿って行われている」と評価した。 トラブルなどがあれば風評被害の深刻化や廃炉作業の停滞を余儀なくされる恐れがある。それだけに、半年間、計画通りに放出できたことは評価したい。 処理水は半年間で約2万3400トンが放出された。ただ処理水の総量は約133万トンに上り、放出完了には数十年かかる…