「説明するまでもなく、農水省は農業と漁業の政策を一体的に担う役所。だた、自民党内の部会は農林部会と水産部会に分かれている。野村さんが農林族ではなく農水族だったら、間違ってもあんな発言は出てこなかっただろう、というのが永田町では一致した見方になっています」 政治部記者がこう振り返るのは、野村哲郎農水相による2023年8月31日の失言である。 東京電力福島第一原発処理水の海洋放出をめぐり、処理水は「核汚染水」だとして強く反発する中国政府が、日本の水産物を全面禁輸に踏み切ったことで、漁業関係者の間には衝撃が走った。 そこでなんと、水産物を取り扱う漁業政策の管轄官庁たる農水省トップが「処理水」を「汚染…