別居している夫とのことで沈むような出来事が起きてもいた。それは黒いしみのように心の中に広がり、心の中に流れていた楽しい音楽を消していく。またにぎやかな世界にするためには、詰め込んで詰め込んで、楽しいことの濃度を上げていくしかない。上から塗りつぶすように楽しさを積み上げていく。夫婦の問題に引き戻されて立っていられなくなりそうになっても、もうひとつの世界でどんどん新しい世界を吸収し、元気にしている明るい残像が自分を支えた。 向き合うべきことに向き合わずに、楽しいことだけやって逃げてるだけだろ、こんなの、と、自分の声が後ろから追いかけてくる。 だけど、逃げ道がなかったらどうやって生きていけるというの…