日本の地震史において、関東大震災や東日本大震災は広く知られていますが、1927年(昭和2年)に発生した北丹後地震もまた、壊滅的な被害をもたらした大震災の一つです。京都府北部を襲ったこの地震は、一瞬にして町を廃墟に変え、多くの命を奪いました。 1. 突如襲いかかった大地震 1927年3月7日午前6時27分、京都府北部の丹後半島を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生しました。震源の深さは約10kmと浅く、地表に大きな被害をもたらしました。特に震度6を記録した地域では、ほぼすべての建物が倒壊しました。 「突如として大地が揺れ、町は一瞬にして崩れ落ちた。道には倒壊した家屋が積み重なり、生き埋めと…