百首歌に 式子内親王 はかなくて過ぎにしかたを数ふれば花に物思ふ春ぞ経にける (はかなくて すぎにしかたを かぞうれば はなにものおもう はるぞへにける) 「新古今和歌集」 巻第二 春下 101 【語釈】 はかなし…あっけない。なんということもない。たよりない。 式子内親王は、幼少期から十年ほども、賀茂神社の斎院として、俗世を離れて過ごしている。 その後は、叔母である八条院暲子内親王の元に身を寄せていたものの、叔母と姪を呪詛したなどという疑いをかけられ、同居を解消。 父の後白河院から相続した屋敷は、関白の九条兼実に横領されていて、住むことができなかったという。 さらに、後白河院の霊のお告げを騙…