■“タスク”で埋め尽くされる日常 朝7時、病院に到着。病棟の申し送り、急変対応、外来、家族説明、記録……気がつけば日付が変わっている。 「今日は一度も座ってないな」と思いながら、帰り支度をする日も珍しくありません。 医療の現場は、常に“タスク”で満ちています。しかもその多くは、“人の命”に関わる、重いタスクです。 そして、そんな中でつい忘れがちになるのが、「なぜ自分はこの仕事をしているのか」という原点です。 ■診療マニュアルには載っていない、“対話”という治療 ある日、内科外来で来院された高齢の女性患者さん。主訴は「体がだるい」とだけ。 検査でも異常はなく、処方内容もすでに妥当。普通なら数分で…