かごめ かごめかごのなかのとりはいついつでやるよあけのばんにつるとかめがすべったうしろのしょうめんだーれ 北添数馬が長屋で金魚鉢を眺めていると、外で遊んでいる子供たちが歌うのが聞こえてくる。いつも同じなので、歌詞を覚えた。「いついつでやる」がどうしても「いついつJR」に聞こえるのだが。 同心の鶴見源之丞がやってきた。「北添さん、何か面白いことはないですかね?」鶴見も、非番のときは、暇らしい。鶴見は金魚鉢の金魚を眺めている。鶴見が金魚鉢に触ると、金魚が寄ってくる。誰がエサをくれるか、金魚は分かるらしい。「北添さん、金魚にエサはやりました?」「きょうはまだです」「私がエサをやりましょう」と、鶴見が…