一重切の竹花入。高さ33.4センチメートル、太さ10.6センチメートル。茶人千利休が羽柴秀吉の小田原遠征に従軍した際に伊豆韮山の竹で作ったとされる。表に大きな割れ目(干割れ)がある。 韮山竹の花入 参考文献 韮山竹の花入 「園城寺」の銘がつけられた一重切の竹花入については、元禄十四年(1701)に出版された茶書『茶話指月集』に来歴と逸話が記されている。『茶話指月集』は、千宗旦(千利休の孫)の弟子藤村庸軒が語った内容を、彼の女婿である久須美疎安が筆記してまとめたもの。 『茶話指月集』には「園城寺」の筒(竹筒の花入)について以下のように記されている。 この筒 韮山竹、小田原帰陣の時、千の少庵へ土産…