〔11〕 使用価値と価値 第二パラグラフ以下では、始元としての商品の一契機をなすところの、それの論理的に抽象的な諸規定が論述されている。この論述は、始元を出発点とする上向的展開における下向的分析といえる。 ここでは、資本制生産を物質的基礎として資本制商品の論理的に抽象的な諸規定が明らかにされているのであって、まさにこの抽象性のゆえに、この諸規定は歴史上の単純商品にも妥当するのである。単純商品とは、生産手段を自分で所有して自分で労働する小生産者が生産する商品のことである。 商品は他の商品と交換関係をとりむすんでいる。すなわち、或る商品は他の商品をみずからに等置する、これが、商品が商品であることの…