『籠釣瓶花街酔醒』はあでやかな花街、吉原が舞台です。衣裳も豪華で出てくるし、出てくる花魁たちの美しいこと。 でも吉原の実態といえば女性を品物のように扱う性搾取の世界。花街は「苦界」とも言われました。では、『籠釣瓶花街酔醒』では表面的な美しさばかりで、吉原の残酷さは描いていないのでしょうか?そんなことはありません。 籠釣瓶の中のセリフから、華やかな吉原の影をさがしてみましょう。 「苦界の楽しみというのはこうまで実を尽くすものかねえ」 「これは売り物買い物だから、わしが来ぬ時お買いなさいよ」 「私はつくづくイヤになりんした」 「吉原花魁日記」 「苦界の楽しみというのはこうまで実を尽くすものかねえ」…