亡き妻も好きだった味 3年前、娘が大学1年生の頃だった。 「うどん屋さんで働きたいんだけど。家の近くにある、あの店だよ」 びっくりした。娘が面接を申し込んだ店の男性経営者とは面識があったからだ。 かつて、その男性が従業員として働いていた福岡市西区の「大地のうどん」には、家族3人で何度も通った。いつも、妻は「わかめうどん」、僕は「ごぼう天うどん」を注文した。 2007年、男性は「大地のうどん」の味を引き継いで独立。そんな歴史を知らない娘が、ネットの求人情報を見て、彼が店主を務める「うどん和助」(福岡市城南区鳥飼)で、人生初のアルバイトを始めた。 僕は、飲食店で働く娘の姿を初めて見た。 涙が出そう…